シンポジウム ・討論会
本大会では,秋吉台大会を記念したシンポジウムと,主として洞窟学会会員を対象としたミニシンポジウムが予定されています.
シンポジウム「日本の洞窟科学における秋吉台・秋芳洞の100年と未来」
日時:9月20日(日) 9:00~12:00
会場:秋吉台科学博物館第一講座室
オーガナイザー:吉村和久(九州大学大学院理学研究院化学部門)
趣旨:秋吉台では地層の大規模逆転という地質学的に重要な発見が大正時代になされ、以後、精力的な研究が進められてきました。地質学的な研究に先立ち、明治時代に秋吉台ではカルスト地形研究としての石灰洞学が既にスタートしています。日本の洞窟科学がここに誕生しました。それ以来、地質・古生物・水文地質学、地理学、化学・物理学、生物学、考古学、探検・探検技術、それらにまたがる複合的な研究が、秋吉台・秋芳洞および多くの洞窟において営々と続けられてきました。
本シンポジウムでは、秋吉台・秋芳洞および周辺の洞窟において行われてきた諸分野における洞窟科学の道のりをたどるとともに、今後の展望について討論を行います。シンポジウムは依頼講演と討論からなり、一般の講演の募集は行いません。
〔洞窟救助ミニシンポジウム〕救助体制について
日時:9月22日(火) 19:30~21:30
会場:秋吉台科学博物館第一講座室
オーガナイザー:日本洞窟学会救助委員会
・洞窟ではどんな事故があるのか
・事故が起きたら、どう救助活動をすればよいのか
洞窟内は段差や足場の悪いところが多いため、いくつかの技術が必要となります。さらには、ラダーテクニック、SRT、潜水・・・と、高度な技術を使うことも多くあります。普通の活動でもそのような技術が必要なため、もしも洞窟内で事故が起きてしまい救助する場合には、専門の装備と技術がないと対応できません。その技術の1つとして、「洞窟救助」があります。つまり洞窟救助とは、究極の洞窟技術の一つといえます。ただ「洞窟救助」と言っても、幅があります。救助活動といえば負傷者を担架に入れて搬送する事をイメージすると思いますが、その他に、負傷者の体調の管理、搬送ルートのためのロープの設置、などが必要となります。また、救出に時間がかかり多くの人が関わる事となると、物資の調達や、通信環境の整備、各隊員の管理など、後方支援的な役職も発生します。もしも、事故が発生した場合は救助体制を作る必要がありますが、その場合は、事前に地域に即した体制作りを考えておく必要もあります。
このシンポジウムでは、救助活動としてどんな体制が必要か、またどんな役割分担すべきかについて、ヨーロッパでの事例や、委員会が行った訓練を元に、話し合って行く予定です。また救助委員会として考えも、話していければと考えています。特に、昨年度参加していただいた方については、議論を発展していきたいと思いますので、是非参加をお待ちしています。