研究テーマ
地球大気中に浮遊する微粒子をエアロゾルと呼ぶ.(正確には,微粒子とその分散媒である大気の両者を系としてとらえて「エアロゾル」と呼ぶ)これらの微粒子は,地球大気中にあまねく存在している.そして,この微粒子は,地球大気に様々な影響を及ぼしている.オゾンホール,酸性雨,温暖化 いわゆる大気が関与する地球環境問題に関しては,エアロゾルが関与しないものはないといってもいい.このエアロゾルの地球大気中における存在状態と様々な環境変動に及ぼす役割と地球物質循環における役割について研究している.
大陸起源の越境物質と福岡の局地排出物質の複合物理化学過程の大気影響とその健康への影響について,福岡大学の産学官研究機関研究所「福岡から診る大気環境研究所」{(平成26〜30年度)を設立し,その所長としての活動も行っている。(写真は,旅客機から見た福岡市街)
と
使用している研究機器(詳細は,研究室のページを参照してください.)
@気球搭載粒子計数装置
赤道(インドネシア),南極,北極,福岡で気球によるエアロゾル観測を20年以上行ってきている.
観測装置の開発には,現在は,且R梨技術工房の協力を得ている.
2017年11月キリバス共和国Tarawaにおけるエアロゾルの気球観測
(4年生とともに)
A無人航空機(カイトプレーン他)
自動操縦カイトプレーン 先日,唐津湾上空で6kgの観測装置を搭載して海抜高度3kmまでの観測に成功
カイトプレーンの開発は,潟Xカイリモートの協力を得て行っている.
BSEM-EDX(文部科学省私学助成の補助を受けて導入した教育装置)
大気微粒子環境応答解析装置(本体は,FEI社製ESEM + EDAX製 EDX)
氷点下100度までの条件下で,電子顕微鏡下での凝結・昇華プロセスの観察ができるよう
潟jコンインステックに依頼してチャンバー環境制御装置の開発を行った.
赤道域圏界面付近から回収したエアロゾルサンプルのSEM写真
などを用いています.
「粒子を直接分析,観測する」というところに,特徴を持たせているつもりです.
結果として,他の方があまりやっていないようなことを楽しくやらさせていただいています.
参加している研究プロジェクト等
大陸起源の越境物質と福岡の局地排出物質の複合物理化学過程の大気影響(平成26〜30年度)
熱帯圏界層(TTL)付近のエアロゾル,雲の気球観測(SOWERプロジェクト,平成30年度まで)
南極観測隊における大気エアロゾル観測(国立極地研究所との共同研究)
ANTPlane(南極域無人航空機観測計画)
ILAS(環境省地球環境研究総合推進費 平成19年度まで)
極域エアロゾルの鉛直構造と圏間物質交換に関する研究−無人飛翔体による南北両極比較観測−(福岡大学大学院高度化研究 平成17年度)
東アジアにおける大気エアロゾルの環境影響に関する研究(文部科学省特定領域研究 平成17年度まで)
風送ダストの発生量評価と気候影響に関する日中共同研究(文部科学省科学技術振興調整費 平成16年度まで)
研究成果
所属学会
日本気象学会,日本エアロゾル学会,地球電磁気惑星圏学会
American Geophysical Union
その他
平成31年1月に第5回 福岡から診る大気環境研究所(FIT-EH)研究会を福岡大学で開催します。
平成31年3月に,FIT−EHの公開シンポジウムを開催します。