振動オリフィス粒子発生装置は大きさのそろった粒子を発生するのに適しています。仕組みは、注射器型ポンプを使って小さなオリフィス(細い管)から、振動をさせながら液体を噴出さ、粒子を作ります。オリフィスの直径10μmまたは20μmで、液体の噴出する方向に振動させることで噴出する細線状の液体が粉砕され、粒子を形成します。溶液の流量と振動を一定に保つことで単分散(大きさのそろった)粒子が発生できます。
立方晶系結晶の塩化ナトリウム結晶粒子(NaCl粒子)の発生実験
揮発性のイソプロピルアルコールと水の混合溶液にNaClを溶かした溶液を使用します。発生直後の液滴直径は25〜40μmです。発生直後は個々の液滴は非常に接近しており、すぐに凝集します。そのため、発生粒子を希釈し、分散させるための空気を発生部に供給します。その後、乾燥用の筒の中で低湿度の乾燥エアーと混合させ、液滴中の揮発性成分を蒸発させることでNaCl粒子が生成されます。生成されるNaCl粒子の大きさは、発生液滴の粒径と溶液の濃度によって決まります。その大きさは、同じ体積を持つ球形粒子の直径 D(体積等価直径)として次の式で表されます。
D=(6QC/πf)
1/3
ここで、Cは溶液の体積濃度(cm
3/cm
3)、Oはオリフィスに送られる溶液の流量(cm
3/s)、fはオリフィスの振動数(Hz)です。
体積等価径1.14μmのNaCl粒子(矢印で指されているもの)の電子顕微鏡写真
ネブライザーは霧吹きのように液体を噴射させ液体の粒子を作り出すもので,液滴の粒子を発生させる装置としては最も簡単なものです。
噴霧させて生成させた粒子のうちの大きな物は容器内に衝突させることにより除去し、小いさなエアロゾルを発生させます
左の写真はDeVilbiss40型の圧縮空気利用ネブライザーです。
圧縮空気利用ネブライザー発生原理
- 加圧された圧縮空気を、細管(オリフィス)から高速度で噴出させる。
- Bernouli効果によって噴出口付近の圧力がさがり、溜まってりる液体が別の細管を通って吸い上げられる。
- 液体は、この細管出口では細い線状になっているが、空気の流れにより運ばれ、だんだんと引き延ばされ、ついには分裂して液滴となる。
- 噴霧された液滴は、容器内側の側面に衝突し、そこで大きな液滴は除去され液体の溜まってるところへ戻る。
ネブライザーを使って形のそろった(単分散)固体のエアロゾル粒子を発生させることができます。この粒子を測定器の較正などに使用されます。
その方法は単分散固体粒子を含む懸濁液を溜まっている液体(水)に混ぜ噴霧させる方法です。噴霧させた後は液体を乾燥させす。そうすると固体粒子のエアロゾルができます。
単分散固体粒子を含む液には、単分散ポリスチレン(PSL)やポリビニルトルニエン(PVT)のラテックス球の懸濁液が使われています。これらは0.08から2ミクロン(1ミクロンは1千分の1ミリ)の大きさのものが市販されています。