2005年度 大気水圏科学実習
- 目的: 大気の鉛直構造,即ち,大気現象を記述する基本的な物理量である気圧,密度,温度,風向,風速などの鉛直プロファイルがどのような物理的な原理によって決定されているのか観測と理論の両面から理解する.
- 内容:
- 基礎概念の勉強
- レーウィンゾンデおよびパイロットバルーンによる気象観測
- データ解析実習
- 基本的概念
- 大気の運動を支配する基礎方程式(運動方程式,連続の式,状態方程式,熱力学的エネルギー方程式)
- 静水圧平衡
- 静的鉛直安定性
- 地衡風, 温度風
- 気圧座標系
- 各自演習問題を解いて上記の基礎概念の理解を深めてください.
- 参考文献
- 一般気象学, 第2版, 小倉義光 著, 東京大学出版会
- 気象力学通論, 小倉義光 著, 東京大学出版会
- 基礎気象学, 浅井冨雄・新田尚・松野太郎 著, 朝倉書店
- An Introduction to Dynamic Meteorology, 4th Ed.
James R. Holton 著,
Academic Press
- An Introduction to Atmospheric Physics,
David G. Andrews 著,
Cambridge University Press
- その他, 多くの気象学入門書で,
上記の2つの基礎概念は解説されている.
- 大気水圏科学研究室所有の上記図書は自由に閲覧して良い.
閲覧を希望する場合は,
あらかじめ iwayama@kobe-u.ac.jp
まで連絡のこと.
- 日時: 2005年8月29(月)〜30日(火)
- 観測スケジュール
- 09:00〜11:00 ガイダンス
- 1.あいさつ (全員の顔見せ)
- 2.単位取得の要件について (岩山)
- 3.スケジュールについて (はしもと)
仮眠室(眺望館)
食事
班わけ
当番表
- 4.観測の気象学的な意味 (山中先生) 1時間(9:30〜10:30)
天気図解説など
- 5.パイロットバルーン観測 (はしもと)
測定の原理、解析
- 6.レーウィンゾンデ (岩山)
解析
- 7.気圧計の作成 (はしもと)
- 11:00〜11:30 自然科学研究科棟3号館屋上にて観測気球へのヘリウムの注入の説明
- 12:00〜13:00 理学部B棟屋上にてパイロットバルーン観測ための機器(セオドライト)の使用説明
- 13:30 パイロットバルーン放球(第 1回目)
- 14:30 パイロットバルーン放球(第 2回目)
- 15:30 パイロットバルーン放球(第 3回目)
- 16:30 パイロットバルーン放球(第 4回目)
- 17:30 パイロットバルーン放球(第 5回目)
- 18:30 パイロットバルーン放球(第 6回目)
- 19:30 パイロットバルーン放球(第 7回目)
- 20:30 パイロットバルーン放球(第 8回目)
- 21:00 レーウィンゾンデ 1 発目放球
- 21:30 パイロットバルーン放球(第 9回目)
- 22:30 パイロットバルーン放球(第10回目)
- 23:30 パイロットバルーン放球(第11回目)
- 0:30 パイロットバルーン放球(第12回目)
- 1:30 パイロットバルーン放球(第13回目)
- 2:30 パイロットバルーン放球(第14回目)
- 3:30 パイロットバルーン放球(第15回目)
- 4:30 パイロットバルーン放球(第16回目)
- 5:30 パイロットバルーン放球(第17回目)
- 6:30 パイロットバルーン放球(第18回目)
- 7:30 パイロットバルーン放球(第19回目)
- 8:30 パイロットバルーン放球(第20回目)
- 8:30 レーウィンゾンデ2発目放球
- 9:30 パイロットバルーン放球(第21回目)
- 10:30 パイロットバルーン放球(第22回目)
- 11:30 パイロットバルーン放球(第23回目)
- 12:30 パイロットバルーン放球(第24回目)
- 13:30 パイロットバルーン放球(第25回目)
- 14:30〜後片付け
- 持って来るもの
- スリッパ (研究室にセミナー室は土足厳禁です)
- 寝袋(男子学生のみ)
- 帽子などの熱射病予防のためのもの
- 予備日(荒天の場合には、9/10-11 に延期 [その場合,夜間観測、レーウィンゾンデ観測は無し])
- パイロットバルーンの放球と放球の合間に行う.
- パイロットバルーン観測の結果をコンピュータに入力する.入力のformatは,
放球後の時間 t, 方位角 \phi, 仰角 \delta を一文字空白をあけて入力する.ファイル名は,pb**??##.datとする.##は観測日,??:##はバルーンの放球時刻を表す(例).例えば,29日13:30に放球したバルーンの観測値のファイル名はpb291030.datとする.欠損した場合には,方位角,仰角には-999.9を入力する.欠損した部分は,ゾンデの位置,風速を求めるときには前後のデータから線形補間をするなどの処理をすること.
- PC Unixをinstallしたパソコンを6台用意してあるので,それを用いて解析を行う.(表計算ソフト gnumeric, Fortran 77, gnuplot等が使用可能)
- 放球後の時間 t, 方位角 \phi, 仰角 \delta から,バルーンの時々刻々の位置を求める計算式は,各自導出すること.(締め切り29日17:00まで)
(また,演習問題にも課題としてあげてある.)
- 当日できなかった解析は後日各自で行う.研究室のPCはいつでも使用してよい.
- レ提出〆切: 9月9日(金)
- レポート課題については当日指示する.
- A: 甲斐,小松,出口
- B: 秋山,松浦,上西
- C: 中嶋,中本,瓜田
- D: 武田,戸田,岩部
- E: 川上,福本,吉村
正規の実習生は少なくとも1回は観測すること.
- エマグラムのダウンロード
- 宿泊施設について
- 自然科学研究科棟3号館,および理学部B棟の夜間出入りについて
- 食事:適宜観測の合間にとること.生協食堂が19:00まで営業している.