2023年度 流体力学II (SE) のページ
対象学部・学科・学年
第1回目(FUプラスアップ授業)
授業の進め方, 諸注意
- 教科書
- シラバスでは教科書は指定していませんが, せっかく大学生になり専門的な学問を勉強しているので, ネットで調べる, コピーで済ませる, ではなく手元に一冊購入して常に参照できるようにしておきましょう.
- 私が大学3年生後期に受講した授業(連続体力学:前期は弾性体力学,後期は流体力学が対象)では「弾性体と流体」(恒藤俊彦 著, 岩波書店)が教科書でした.この教科書は, 物理入門コースというシリーズの一冊で, 他に力学, 熱統計力学, 電磁気学, 量子力学, 相対性理論, 物理のための数学, といった本も出版されています.「物理のための数学」は, 前職での講義で教科書として使用していました.
- その他, 「 連続体の力学」(巽 友正 著, 岩波書店)という本もあります. 上記の本と大体同レベルの本です.
- 実際に手に取って眺めてみて, 自分に合う本を探して購入しましょう.
- 本授業では, 自作の講義ノートも配布する予定です. 他大学で行った流体力学の授業の講義ノートはここにあります.
- 復習について
- 教科書, 講義の録画, 授業中の板書などを参考に, 数式, 途中の計算をノートに書いて確かめてみましょう. 聞いているだけでは理解はできません. 実際に自分で手を動かして初めて理解ができます.
- 友達と互いに教えあいながら,議論しながら勉強するは非常に良い勉強法の一つです. 他人に教えるのは自分の理解につながります. 友人から教わる場合には, 友人の解説を鵜呑みにするのではなく, 批判的態度で聞くように心がけましょう.
- 演習問題の解答は自分で責任をもって解答しましょう. 他人の解答を, 漫然と写す, ただ写すだけの作業にならないように注意してください.
- 例年, 誤った解答を写している人が極めて多いです. 誤った解答が, なぜか流布される傾向にあります. デマが社会の中で拡散されやすことの縮図です. 誤った解答を写しても何の勉強にも自己研鑽にもなりません.
- 演習問題の解答はA4サイズのレポート用紙に書きましょう.
- 質問のある方は
- 遠慮なく岩山までメールで連絡をください. (メールアドレスは講義ノートに掲載しています.)
- FUポータルにBBSを用意してあります. それを通じてでも結構です.
第1回目(スタートアップ授業)
- FUポータルを通じてスタートアップ動画を視聴して, 前期の「流体力学I」の復習をしてください.
- 連続の式に誤りがありました. 申し訳ありません. 訂正版のスライドは こちら にあります.
- 次回授業時に演習問題を解いてもらいます.
第2回目(9月20日)
- スタートアップ動画の課題の解説を行いました.
- 配布した資料はこちらです.
第3回目(9月27日)
- スタートアップ動画の課題について, コメントしました. ベクトルに関する理解の確認, ギリシャ文字についての注意や, 数式を書くときに気を付けることなどを話しました.
- 流体力学に基づいて音波を議論するための問題設定について話をしました.
第4回目(10月4日)
- 問題設定に従って, 流体力学の基礎方程式の変形を行いました.
- 連続の式, 運動方程式の線形化まで説明しました. 熱力学方程式に関する議論の途中まで進みました.
第5回目(10月11日)
- 引き続いて, 問題設定に従って, 熱力学方程式の導出と線形近似を行いました. また, 導かれた方程式系を圧力に関する波動方程式の形に変形できることを示しました.
第6回目(10月18日)
- 前回授業では, 圧力の揺らぎに関する方程式が波動方程式になることを示しました. それ以外の変数, 密度の揺らぎと速度の揺らぎも共に音速を位相速度とする波動方程式に従うことを示しました.
- 非圧縮性を仮定したときには, 揺らぎの物理量は波動方程式に従わないことも議論するために, 非圧縮正を仮定した場合の連続の式を議論しました.
第7回目(10月25日)
- 非圧縮性を仮定したときには, 揺らぎの物理量は波動方程式に従わないことも議論しました.
- 空間1次元の波動方程式を変数分離法で解く方法について解説しました.
第8回目(11月1日)
- 空間1次元の波動方程式を変数分離法で解きました. 境界条件は, 境界において場の値がゼロになるDirichelt条件です.
- 変数分離定数は負の場合をまず扱いました. 実際に解が三角関数の重ね合わせで表現できることを導きました
第9回目(11月8日)
- 前回に引き続いて, 1次元波動方程式の解法について話をしました.
- 変数分離定数が,ゼロもしくは正の値のときには, 境界条件を満足する解は自明な解しかないことを示しました.
- 波動方程式を含む物理数学の資料は, こちらを参考にしてください.
第10回目(11月15日)
- 位相, 位相速度について解説しました.
- 前回までは, 場の値がゼロ, という境界条件のもと波動方程式を解きましたが, 今回は場の微分がゼロ, という境界条件のもとで, 波動方程式の解を求めました.
- 境界条件が変わっても, x軸の正の方向と負の方向に同じ位相速度で伝播する波が存在することを示しました.
第11回目(11月22日)
- 境界値問題の分類について話をしました. ディリクレ問題, ノイマン問題, ロビン問題
- 波動方程式のダランベール解について議論しました.
- 流体力学の話題に戻って, 音波の章で設定した問題設定の下で, 流体力学の基礎方程式中にはどのような波動解が存在するのかを議論し始めました.
第12回目(11月29日)
- 音波の章で設定した問題設定の下で, 流体力学の基礎方程式中にはどのような波動解が存在するのかを議論し, 5行5列の行列の行列式を計算する問題に帰着しました.
- 逆行列の求め方や, 行列式の計算の仕方を復習し, 5行5列の行列の行列式を計算しました.
- 5種類の振動数が存在すること, 今の問題設定では伝播する波動は音波しかないこと, それ以外の波動の紹介をしました.
第13回目(12月6日)
- 拡散方程式に関する議論を行いました.
- 1次元の格子上をランダムに飛び移る物理量のモデルを考え, その現象が拡散方程式に従うことを示しました.
第14回目(12月13日)
- 前回紹介した1次元格子上のラインダムな物理量の飛び移りを, コンピューターシミュレーションによって再現し, 物理量の分布の発展と, 拡散方程式を解いた解とを比較し, 両者が一致することを示しました.
第15回目(12月20日)
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