ALASKA 通信            No. 12

5/15/31

from 林 政彦@Fairbanks

 Alaskaの夏。すべてが活動的になる季節。

 

UAFの研究スタッフは、大学からは、9か月分の給料しかもらっていない。従って、5月中旬から8月中旬までは、やりたくなければ仕事をしなくてもいい。給料をもらっていないのだから、働く義務はない。

 

でも、夏期講座などではたらけば、その分の給料はもらえる。研究費で自分自身の給料を予算として獲得してきていれば、自分のために給与を支給して、それに見合った研究をすることはなんら問題ない。

 

ちなみに、子供の学校も、夏休みは同じく3ヶ月!!夏休みの宿題なんて気の利いたものはない。だって、5月に終業、新学年が8月末開始だから、宿題なんて出してもチェックする人もいない。

夏の間に勉強しないから、子供の頭の中は秋にはemptyと親は言う。

 

で、私は?

 給料をUAFからもらっていれば、同じく、夏休み。でも、福大からは、12か月分の給料と滞在費(足りませんが)をもらっているので、「働かない」というわけにはいかない。

 

でも、夏のフェアバンクスは、夜中の1時でも暗くはならない。

 

OPCゾンデの観測の機会を伺いながら、週末は遊びにいそしむことにした。

基本はキャンピング。いいところは、@安い、A予約不要、B自然を感じられる、Cファイヤーをして遊べる、D

 

5/4 夕方から雨を押して、キャンピング体験。韓国人のお友達に指導をしてもらいながら。

 はじめに雨のキャンピングをしたおかげで、雨が怖くなくなった。

 

5/8 航大の誕生日

  今日から12歳。航空運賃も一人前!帰国便が高い。

 

5/17 Pokar FlatGlennとドライブ。GlennSMPS,OPC、サンプリングで新緑時期の微粒子生成を観測したいとのこと。観測コンテナーの見学を兼ねて同行することにした。

 

 

5/1921 秘境Macarthy & Kenicotto へキャンピング

 子供は今日から夏休み。3ヶ月の休みのはじまりである。

 行き先は先の韓国人一家の希望でもあり、氷河を歩けるとの甘い誘いに乗ったもの。しかし、会う人、会う人、いいけど、大変だよとの声。Kenicottoは昔の銅鉱山Glenn10時間かかるよ、途中、Copper circle lodgeでとまっていくことを勧められた。

予備タイヤも持っていくようにと。18日夜チェックしたらなんと予備タイヤは空気なし。FredMayerで空気を入れるも、1時間で抜けてしまう。

 19日朝、パンクしている予備タイヤの修理でWalMartへ。

 11時近くに出発。途中、初めての景色に何度もストップ。6時頃にGlenallenに到着。給油する。ここで、Valdezにいくか(約2時間)、Macarthyに行くか(約5時間)。サービスエリアのお姉ちゃんの弁では、セダンではきついとのこと。そんなこともないだろう思い切って、Macartyに行くことにした。

Richardson highway

 

 60マイル(約100km)の地道は確かに大変で、それでも、言われた4時間ではなく3時間で到着。途中の景色も絶景続き。キャンプ地には午後11時着であった。

 

 翌朝、いよいよ氷河へ。基地になっているKenicottは、もとは銅鉱山の村。ゴーストタウンのようであるがきちんと生きた町であった。町の中、あちこちに見つかる緑色の石は銅の鉱石。

氷河の上に乗って「何で石があるの?」「割れ目の中は青い!」

夜は、キャンプファイヤー。マシュマロを焚き火で焼いておいしくいただいた。子供は、これが楽しみで仕方がないらしい。

結局2泊して、私たちは家路へ。韓国人一家はValdezへと旅を続けた。

 

5/25 23日のキャンピングに出かける。研究所で月曜日も休みだよといわれる。こちらのカレンダーでは赤字になっていても必ずしも休日ではないことが多いので良くわからない。ところが、5月の最終月曜日は、special holidayであった。Memorial Dayと呼ばれるこの日から、9月の第一月曜日Labor day(日本流に言えば勤労感謝の日か)までが要するにVacation season。どこに行っても恐ろしいほどの人人人・・・。こんなに人がいたんだ、と変に納得してしまった。

 人の余りいないキャンプ場を探して翌日は、釣り場探し。

つりはうまくいかなかったけど、道端のwild flowerがきれい。写真はcotton grass

 

5/27 カリプソ蘭の花見にワンワンロッジへ

 26日に電話をいただいて、舟津さんとところへ、希少種カリプソ蘭の花見に出かける。久しぶりのワンワンロッジ。ワンちゃんたちは元気だった。雰囲気はまったく違っていて、新緑の白樺に囲まれたワンワンロッジだった。白樺林の中の散策は非常に気持ちが良かったです。

 カリプソ蘭はきれいでした。おまけに、一輪だけ、白いカリプソ蘭が。毎年、同じ場所に一輪だけ咲くそうで不思議不思議の世界でした。

集まったメンバーは、一人日本人の女性のhusbandを除いては、日本人。ある意味で言えば変わり者ばかり。アラスカに魅せられた人ばかり。だんなが帰国してからもフェアバンクスに居ついてしまった大学の先生の奥様、元OLの文化人類学専攻の女性とそのhusband、熊本出身のエスキモー語の先生など。春になって、緑とともにいろいろな人が噴出してきた?

ここで、エスキモーとイヌイットについて。「エスキモー」は差別用語で「イヌイット」を今は使うと聞いていたのであったが、じつは、これは正確ではない。イヌイットというのはカナダ系のエスキモーをさす言葉で、アラスカエスキモーはイヌイットではない。このあたりの事情は、Wikipediaにもあるのでごらんあれ。ともかく、私には、「目から鱗」の話。そもそも、「生肉を食べる」ことが野蛮であるということ自体が偏見で、生魚を食べるわれわれはどうなる。久しぶりに新聞に日本のことが出ていると思ってみたら、捕鯨に関しての記事であった。他民族の伝統的な食文化をなぜ尊重し畏敬の念を持って認めることができないのか?

 

5/31ムースがFairbanks市内にあらわれ、射殺された。