ALASKA 通信 No.
6
11/13~11/26
from 林 政彦@Fairbanks
7/23 Thanksgiving(11月第4木曜日)という祝日がアメリカにはあった。
アメリカがそのoriginのよりどころとしているような日である。家族,親類が集まり一緒に食事をし,おしゃべりやテレビを楽しむ。日本のお正月か,お盆のような日です。
もちろん,独立記念日(7/4)はアメリカにとっても大きな意味を持つ日です。
キリスト教徒が多い国としては,Christmas(12/24)も重要な日です。
でも,あまり知られていない(? 私は知らなかった)Thanksgiving
たぶん,この3つで,3大イヴェントと言っていいだろう。
1620年12月26日に、イギリスの清教徒団“ピルグリム・ファーザーズ”が、イギリス教会の宗教弾圧を逃れメイフラワー号でアメリカのマサチューセッツ州プリマスに到着。彼らを待ちうけていたのは,やせた土地と厳しい寒さ。はじめての半数が寒さと飢えのために死亡した・・・
翌年,原住民(いわゆるインディアン)から,コーンをはじめとする栽培,狩猟をおそわり,充分なたくわえを秋に得た。
自然への感謝をこめて,thanksgivingは始まったそうな。ある種の収穫祭。
もちろん,お世話をしてくれた原住民への感謝を忘れてはならない。この場には,恩人であるインディアンも招かれ,ターキーを持ってきてくれ,一緒に収穫を祝ったそうな。
この生きるための糧を得たことは,殖民を成功させるための基礎を獲得したことに他ならない。まさに,origin of American。
(このあと,充分な力を持った移民がインディアンを弾圧していく歴史が続くのも皮肉ですが)
まあ,とにかく,大きなお皿に慎ましやかにおかれた数粒のコーンから始まるthanksgiving のparty
turkeyの丸焼き,たくさんの持ち寄り料理をお皿にいっぱい積んでおなかいっぱい食べて
デザートはたくさんのパイ
いろいろ話をして・・・・
ちなみに,turkeyはアメリカ人が一番食べる肉です。牛肉よりも多いらしい。
魚介類は,海老が他を寄せ付けず,No.1だそうです。
さて,収穫時期は州によって異なるのでThanksgivingも州によってばらばらだったとのことですが,南北戦争のとき,かのリンカーンが休戦日としてThanksgivingを11月第4土曜日に設定してから,この日がアメリカいっせいのThanksgivingの日となったようです。いまだに人種差別はのこるものの,この意味でも重要な日です。
アラスカは,収穫どころか,雪の世界ですが。
Thanksgivingはいろいろな意味でthe day of America のようです。
今年の11月は,氷点下25度以下という日が立て続けにあった。
記録的な寒さだったとのこと。
60年前の記録を破ったそうな。
どうりで寒いはず。Glenn Shaw曰く,「12月は暖かくなるよ。シノプティックな状態が変化するはずだから。」
7/24山がきれいだろうということで,写真をとりにいく。日没直前(といっても3時過ぎ)太陽がひしゃげて見えた。
このあとマッキンリーの写真をとったのだが,あとで見て,おや?!
ちょっと前にとった写真よりマッキンリーが高い!!
こちらの真ん中に見えるマッキンリーより
こちらの右の方に見えるマッキンリーの方が,手前の丘に対する高さが高く,形も違って見える。
ちなみに,日没直前です。
どうも,蜃気楼のようである。下層が冷えることによる蜃気楼は上下ひっくり返るようになる。南極ではないはずのテーブル氷山が見えたりする。では,はるか200kmとおくの標高5000mのマッキンリー山が高くなって見えるのはどうして?
これは,気象学と幾何光学の問題。放射冷却が鍵を握っている。
よく見てみると,Denaliの山の下の方も蜃気楼らしきものが見える。
実は,Denaliも普段より高く見えているらしい。
(これは,ヒント。)
この日,ペッちゃんこにつぶれた太陽をみた。
もしかしたら,グリーンフラッシュ(日没のその瞬間,消え入る太陽の切れ端がみどりにパッと輝く!)が見えるのではないかと期待していた。きれいなグリーンにはならなかったが,太陽が消える直前,赤い色がなくなり,みどりっぽい色に見えたような・・・・
グリーンフラッシュの原理,これは,散乱と屈折の問題。
ちょっと今回は,写真をきちんと見て欲しかったので,大きな画像ファイルで失礼しました。